目次
Webサイトの分類とKPIの方向性
目的のあるサイト
- 特定分野のポータルサイト、情報サイト(比較サイト、不動産ポータルなど)
- リードを送る
- 企業サイト
- ブランド紹介、理解
- 実店舗誘導
- ECサイト
- リード獲得型(問合せ、資料請求)
- キャンペーン、プロモーションサイト
- 知ってもらう
- 参加してもらう
- 会員向けサイト
- 特定の行動
- アクティブ率を高める
→目的の達成数がKGIになる。KPIはそれを構成する要素。
基本的には目的達成までのカスタマージャーニー、コンセプトダイアグラムを描き、各ステップの到達数を見ていくのがいい。
目的の種類によってセッション限りで達成する場合と、ある程度のリードタイムをもって達成する場合がある。その場合は訪問間隔や訪問回数などCRM観点も意識する。
目的のない(暇つぶし)サイト
- 動画
- ニュース
- 2chまとめ
- キュレーション
- ソーシャルメディア
→訪問者の特定の行動がマネタイズに結びつかない以上、KGIは広告収入が主なものとなる。
KPIは媒体価値を高めるものとしての閲覧系の指標
目的なし(暇つぶし)系のサイトのKPI
目的なし(暇つぶし)系のサイト、メディアサイトのKPIを追う。
訪問者の特定の行動がマネタイズに結びつかない以上、KGIは広告収入が主なものとなる。
KPIは媒体価値を高めるもの
媒体価値というのは基本的に訪問者に対して与える影響度の大きさということで、概念としては大体
- 訪問者の質
- 訪問者の数
- 回数
- 接触した、メッセージを伝えた時間
- メッセージを伝えたときの意識の深さ
といったものの掛けあわせになる。
PV数、延べ滞在時間
メディアサイトでよく言われるPV至上主義。
PV数はそもそも「どれだけの量の訪問者がどれだけの長さそのサイトにいたか」のグロスの指標。
「サイトにいたか」という意味では滞在時間も同じ目的の指標になる。
PV数=訪問(セッション)数×平均PV数
延べ滞在時間=訪問(セッション)数×平均滞在時間
平均PV数、平均滞在時間
平均PV数、平均滞在時間とも
- 訪問(セッション)あたりの回遊(遷移)状況
- 訪問(セッション)あたりの精読状況=実際にページを読んでいる時間
のこと。単純にページを遷移させるのであればある程度小手先のテクニックが使える。しかし実際に読んでいるかは別問題ということで、PVではなく滞在時間に着目する考え方が出てきている。
実際に意識を持って読んでもらっている時間というのが重要になる。
訪問数(流入数、セッション数)
PV数、延べ滞在時間を構成するもう一つの要素が訪問数=セッション数。流入そのものでもある。
メディアの影響度のボリュームは一般にリーチとフリークエンシーで構成される。
セッション数も概念としてはこれらを掛けたもの
セッション数=リーチ(ユーザ数)×フリークエンシー(平均訪問回数)
ということになる。施策によって流入は増やすものである。
フリークエンシー(訪問回数)
どれだけリピート訪問を生み出したか。
施策によってある程度上積みできるものではある。
リーチ(ユーザ数)
実はリーチは後でついてくるもの。
強いて言えば新規ユーザを獲得する流入元を開拓するのがユーザ数を増やすことにはなるが、基本的には流入数を増やすことでユーザ数は増えるものである。
ただ、流入数は増えているがリピート訪問ばかりでユーザ数が減少しているなどという事態はよろしくない。
ユーザ数の増加率は健全な成長のKPIになる。
ユーザ数自体は
- 月間のユニークユーザ数
- ウィンドウ○日のアクティブユーザ数
などで測れる。
見ていくポイントと流れ
それぞれの指標の数値を上げていくためにはどうすればいいか。着目すべきポイントを整理する。
- 流入
- 回遊・精読
- リピート
回遊とリピートはサイト内の努力によるところも大きいが、流入の質にも依存する。
回遊もリピートも多いのが理想だが、両方満たす流入自体そんなにあるものではない。つまり両方追っていたのでは流入自体が増えない。
回遊が少なくてもリピートが多ければいい。その逆もあり。と考える必要がある。さすがに回遊もリピートもしないのは微妙ではある。
流入
最優先。まずは流入がないと話にならない。
広告、SEO、ソーシャル、アライアンス、…などの流入施策に対して
施策別に流入の量を見る。
回遊・精読
2つのアプローチがある。
- すでに連れてきたユーザに対して回遊してもらう
- なるべく回遊するユーザに流入してもらう
すでに連れてきたユーザに対して回遊・精読してもらう
サイト内の努力によってセッション自体の質を高めることである。基本的には以下のような施策が考えられる。
- 回遊
- UIの工夫(誘導の確保、ページ分割、ページ遷移が必要となるUI)
- 興味を持ってもらえる見出しを作る(コンテンツ自体が伴っていなければ離脱する可能性あり)
- 精読
- ページのレイアウト
- 文章の構成
- 興味を持ってもらえるコンテンツを用意する→これが一番難しいが本質でもある
回遊についてはある程度テクニカルな側面はある。
1ページ目(流入したページ、ランディングページ)と2ページ目以降では性質が異なる。
- 1ページ目:流入からの直帰/非直帰
- 流入シナリオ(流入元×流入先ページのマッチング)に依存する。マッチングの精度がポイントになる
- 流入元に合った流入先ページ(ランディングページ)自体のコンテンツを準備する
- 仮に直帰しても、流入先ページを読んで満足して直帰したなら問題ない(→スクロール率)
- 2ページ目以降:サイト内での精読・回遊
- 興味がないわけではない状態。その興味を持ち続けてもらう必要がある
- 関連リンクやレコメンドなど、ユーザが興味を持つページへの誘導を強化する
- もちろん長いほうがいいが、常識の範囲というものはある。それを超えるものは問題で、指標として不具合が生じている場合がある
KPIは
- 全体で
- 閲覧時間・滞在時間
- 平均PV数(遷移数)
- スクロール率
- 1ページ目→すべてのパターンでは無理だが、主要な流入元×流入先ごとの指標は押さえる
- 直帰率
- 閲覧時間・滞在時間(スクロールイベントを発火させないと計測困難)
- スクロール率
- 2ページ目以降(非直帰セッションの)
- 平均PV数(遷移数)
- 離脱率
などになる。
流入元の質
同じ流入であれば精読・回遊してくれる流入のほうがいい。
施策として流入元を開拓するのであれば、回遊・精読してくれる流入元のほうを選びたい。
KPIは、流入元ごとの
- 直帰率
- 1ページ目(ランディングページ)の閲覧時間
- 平均PV数(遷移数)
- 滞在時間
などになる。
リピート
最初は流入施策が重要であるが、ある程度流入自体が増えてくれば、同時にリピート施策も重要になる。
2つのアプローチがある。
- すでに連れてきたユーザに対してリピートしてもらう
- なるべくリピートするユーザに流入してもらう
すでに連れてきたユーザに対してリピートしてもらう
平均訪問回数(リピート訪問回数)を増やすためには
- 再訪問のきっかけを作る→フィード購読、ブックマーク促進など
- メディア自体がユーザと心理的に親密になる、マインドシェアを上げる、ファンになってもらう
- 偶然(リピートと意識しなくても)流入する機会を増やす。こちらは一般的な流入施策と変わらない
などの施策がある。
リピートについても回遊と似ている構造がある。
画面遷移にせよリピートにせよ、最初が重要になる。初回のハードルを越えればだんだんハードルが下がっていく。だから最初だけ別に注視する必要がある。単品通販のサンプル→初回購入の引き上げ率に着目するのと同じで、CRMの考え方そのものである。
また当初は偶然のリピート訪問であったとしても、何度も訪問しているうちに心理的な距離が近づき、自発的なリピータとなることがある。
KPIは
- 毎月の(推移を見る)
- 新規ユーザ数
- リピータ
- 新規→リピートユーザ数/率
- 新規ユーザが同月内に2訪問目に到達した数と割合
- 新規1回のみユーザ数
- リピート→リピートユーザ数
- すでに以前に訪問したことのある(非新規)ユーザで、当月に再訪問したユーザの数
- 新規→リピートユーザ数/率
- 訪問回数の分布
- 自発的な(受動的でない)リピータ数→実際には計測困難。直接流入と自然検索トップ流入になるが、Googleアナリティクスの場合直接流入の定義が特殊であるため参考になりにくい
- ウィンドウ○日のアクティブユーザ数を推移で見る
- 直近の3ヶ月など特定の期間を区切って(ストックで見る)
- 新規からの推移(期間内新規ユーザに限定して)
- 新規ユーザ数
- リピートするかどうか
- リピータ数/リピート率
- 新規訪問からの経過日数ごとのリピート率(カプラン・マイヤー曲線)
- リーセンシー(初回訪問からの日数)
- リピート済ユーザの初回と2回目の訪問間隔
- リピート後の
- (再)訪問回数の分布
- 訪問回数ごとのリピート率
- 前回訪問からの経過日数ごとのリピート率→GAでは出せない
- 全ユーザの
- 訪問回数の分布
- 訪問間隔の分布
- 新規からの推移(期間内新規ユーザに限定して)
など。リピータ数が増加するのは好ましいことだが、それに隠れて新規ユーザ数が減少(仮にユーザ数全体では増加傾向であっても)していたらサイトの成長上問題でもある。
したがって同時に新規ユーザ数もサイトの成長という観点でのKPIとしておく必要はある。
なるべくリピートするユーザに流入してもらう
同じ流入が発生するのであればリピートしてくれる、ファンになりやすい人に流入してもらうのが効果的ということになる。
施策として流入元を開拓するのであれば、リピートしてくれる流入元のほうを選びたい。
KPIは、流入元ごとの
- 毎月の(推移を見る)
- 新規率(リピータ率)
- 訪問回数の分布
- 直近の3ヶ月など特定の期間を区切って(ストックで見る)
- 2訪問目の発生率(期間内に新規ユーザが2訪問目に到達した割合)
- 訪問回数の分布
- 訪問間隔の分布
- 自発的な(受動的でない)リピータ数→実際には計測困難。直接流入と自然検索トップ流入になるが、Googleアナリティクスの場合直接流入の定義が特殊であるため参考になりにくい
など。Exactな数値ではないが、分布のほうが実態を正確に把握できる。
新規流入元の場合、当初は全新規→3ヵ月後には大半がリピータなどということもある。
CRM観点の導入
CRM観点の指標
- 初回訪問からの経過日数
- 初回→2回目の間隔、引き上げ率
- 2回目以降の
- リーセンシー(最終訪問からの日数)
- フリークエンシー(訪問回数)
- その他のアクティビティスコアの累計(ECであれば購入総額)
流入元評価
流入元の理想は
- 再訪問する
- 新規
を数多く連れてくるメディア
- 新規が多いか既存が多いかを見る
- 新規と既存のそれぞれに対する着眼点
- 新規→再訪問する人を数多く連れてきているかどうか
- 既存→どういう人が頻繁に訪問するか。
自サイトの理想は訪問頻度の高いユーザが数多く存在すること。
メールマガジン評価
- 推移を見るもの→説明と運用(異常の検知)で使う
- 有効メアド率(バウンス率/3日間のメアド数)
- 開封率
- クリック率
- コンバージョン率
- 成約率
- 配信ごとのパフォーマンスを見るもの→運用(PDCA)で使う
- 配信(△△メルマガ○月○日号)×通算受信回数ごとの
- 開封率
- クリック率
- 配信(△△メルマガ○月○日号)×通算受信回数ごとの
- スポットで見るもの(現時点の、○月の)→説明と運用(CRM)で使う
- ファネル(到達→開封→クリック→CV→成約)
- コホート(○月登録者の)→説明で使う
- CV数
- 成約数
(開封、クリックは不要)
- ユーザごとの行動履歴(ユーザ単位集計)→カスタマージャーニーの把握、知見を見出すために使う
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