Googleアナリティクスの設定を効率化するために、
- 管理画面を見る前に決めておくべき項目のチェックリスト
- Googleアナリティクスの管理画面での設定作業の手順
- 設定内容を一覧で出力するツール
を紹介する。設定内容の出力は初期設定時に限らず、現状のアカウントの設定状況を把握する上でも役に立つだろう。
目次
Googleアナリティクス設定前チェックリスト
Googleアナリティクスの管理画面にログインする前に決めておくべき要件で、
Googleアナリティクスに限らない、アクセス解析の要件定義である。
これを決めずに管理画面を見るのは時間の無駄。
このチェックリストを完成させるのに時間を割こう。
重要度:高
工数に影響するもの (8)
- 計測対象
- どのドメイン
- どのディレクトリ
- クロスドメイントラッキングの有無
- おおよそのページ数
- タグマネージャ経由でタグを設置するかどうか。その場合GTMかどうか。
- タグを設置できない階層があるかどうか
- デバイス別のコンテンツ表示仕様
- レスポンシブデザインかどうか。そうでない場合、PCとモバイルでページが1対1対応するかどうか
- タブレットの扱いはどうか
- デバイスによってタイトルが異なるか
- URLの変化しないページ遷移(主にコンバージョン遷移。フォームと確認画面等、同じURLでページの内容が変わる箇所があるかどうか)
- コンバージョンポイントの名称とURL一覧(URLがわからない場合はこちらでテストします)
- デバイス別にビューを分けるかどうか(通常分けるでOK)
- 必要なマイレポートの種類(ディメンションと指標がわかればOK。わからない場合は要件をヒアリングしてこちらで抽出します)
工数に影響しないもの (7)
- ユーザー属性レポートを利用するかどうか(通常利用するでOK)
- インデックスページ(「/」と「/index.html」が同じページを表すのか。「index.php」など他の拡張子ではないか。)
- ダミーパラメータ(広告パラメータ、ユーザ/セッションパラメータの洗い出し)
- 除外IP(クライアントの社内IPと自社社内IP)
- 参照元除外ドメイン(このドメインからの流入は同一サイトと見なす。特にwwwの有無が混在する場合には注意)
- サイト内検索ワードを分析するかどうか。設定する場合は検索URL
- AMPページを計測するかどうか。計測する場合Googleキャッシュ/自サイトAMPページ/自サイト非AMPページでプロパティを分けるかどうか
重要度:中
いずれも工数に大きく影響 (6)
- AdWordsと連携するかどうか(連携する場合は設定時のみAdWordsの管理者権限をいただくか、クライアント側でAdWordsアカウント側の連携設定を行っていただく必要があります)
- Search Consoleと連携するかどうか(Search Consoleの管理者権限とGoogleアナリティクスの編集権限が紐付いた同一のGoogleアカウントが必要です。Search Consoleが設置されていない場合はこちらで設定も可能ですが、設置をお願いします)
- コンテンツグループ(特定のルールでコンテンツを分類して分析できるようにするか。その場合のルールは?)
- eコマース分析を設定するかどうか。
- オンラインコンバージョンとオフラインコンバージョンの紐付けをするかどうか
- ログイン情報を使用して同一ユーザの特定をするかどうか(User-ID)
重要度:低
工数に影響するもの (3)
- ブランドキーワードを設定するかどうか。設定する場合はフレーズ一致ベースでのキーワードの一覧
- 独自チャネルグループを設定するかどうか(特に理由がない限り不要)
- その他の要件(イベント、カスタム変数など)
- イベント
- クリック
- スクロール
- 動画再生
- カスタム変数(カスタムディメンション)
- ユーザ属性、ユーザのステータス
- ユーザ連携のキー(顧客IDなど、個人情報は禁止)
- (検索サイトなどで)検索条件
- イベント
(参考)カスタムディメンションで、どんなサイトにも共通して初期から実装しておくとよいもの
- GAのクライアントID(ユーザースコープ)
- タイムスタンプ(ヒットスコープ)
- ユーザーエージェント(セッションスコープ)
- リファラ(参照元のURL、ヒットスコープ)
工数に影響しないもの (3)
- ユーザとアクセス権限(誰にどの権限を与えるか)
- 拡張リンクアトリビューション分析(ページの詳細な分析。ヒートマップのほうが詳しい)を利用するかどうか
- 追加検索エンジンを設定するかどうか
実装時の注意
- デバッグのため、必ずフィルタを適用していない状態のビューをバックアップ用として保持しておく。
- デバイスや自社IP除外などのフィルタはバックアップ用とは別のビューで作成
- クロスドメイントラッキング用のホスト名付加フィルタはバックアップ用のビューに設定
- デバッグのためバックアップ用ビューではデフォルトページ、クエリパラメータ、ボット除外も設定しない(ドメイン付加フィルタは適用する)
作業手順
ここからGoogleアナリティクスの管理画面にログインして作業を行う。
上から順に設定し、どこまで設定完了したかと、設定の内容を控えておこう。
- アカウント、プロパティの作成
- 計測対象サイトのURL
- ユーザー属性レポートを利用するかどうか
- 拡張リンクアトリビューション分析を利用するかどうか
- 計測タグの発行
- (必要があれば)User-IDトラッキングタグの生成<タグの変更>
- (必要があれば)追加検索エンジン、参照元除外リストの設定<プロパティ>
- バックアップ用のビューの作成
- URLの正規化設定…「1コンテンツ=1ページ」を満たすかどうか<ビュー>
- インデックスページ
- ダミーパラメータ
- 広告パラメータ
- ユーザ/セッションパラメータ→カスタムディメンジョンに設定するかどうか
- URLの変化しないページ遷移(「1コンテンツ=1ページ」の逸脱、主にコンバージョン遷移)への仮想URLの割り当て<タグの変更>
- 目標の設定<ビュー>
- (必要があれば)オフラインコンバージョンとの連携設定<タグの変更>
- (必要があれば)サイト内検索設定<ビュー>
- (必要があれば)コンテンツグループ設定<ビュー>
- (必要があれば)ブランドキーワード設定<ビュー>
- (必要があれば)独自チャネルグループ設定<ビュー>
- (必要があれば)eコマース設定<タグの変更>
- その他の要件(イベント、カスタム変数など)
- タグのカスタマイズ(フィールド、カスタムディメンションなど)と設置
- 実装テスト、修正
- Measurement Protocolのパケット(Chromeの開発者ツール -> Network -> /collectのヘッダの内容を見る)
- リアルタイムレポート
- ビューの作成
- 除外IP設定
- デバイス別設定
※ビューのコピー時にコンテンツグループやデフォルトチャネルグループの設定は引き継がれないため、それらは改めて個別にビューに対して設定する必要がある
いつでも設定できる
- AdWordsとの連携設定
- Search Consoleとの連携設定
- ユーザとアクセス権限(誰にどの権限を与えるか)
設定内容の確認ツール
初期導入時の設定が一通り終わったらその内容を確認する。
Googleアナリティクスの設定の一覧を一つのExcelファイルでダウンロードするツールである。ログインしたGoogleアカウントに紐づけられる全プロパティの設定を一覧で取得できる。設定項目はシートごとに分かれている。
初期設定に限らず現状の設定把握にも使えるものである。プロパティやビューが増えると設定内容を管理画面から確認するのは困難になり、ミスの原因にもなる。それを解決するためのツールで、ユーザが増えるまでベータ版として公開する予定。
すべてJavaScriptで動作しており、当サーバにアカウント情報などのデータは送信されません
(ブラウザのlocalStorageにデータを格納しています)。
手順は以下の通り。
- 「Google認証」ボタンをクリックして確認対象のGAの権限を持つアカウントを選択してログインする。
- 「設定情報の取得」ボタンをクリックすると設定の一覧をダウンロードする。ダウンロード完了するまで待つ。完了すると「Finished.」のメッセージが表示される。権限などの問題でエラーが発生した場合、エラー発生回数も表示される。
- 全設定情報を取得後、「全設定の.xlsxダウンロード」ボタンをクリックして設定の一覧を含むExcelファイルをダウンロードする。
- Googleアカウントからログアウトする場合、「ログアウト」をクリックする。
シートごとに設定内容が分かれている。各シートの説明は以下の通り。
シート名 | 内容 |
---|---|
webproperties | そのアカウントに含まれるプロパティの一覧 |
profiles | セグメント |
filters | フィルタ |
gooals | 目標 |
segments | セグメント |
profileFilterLinks | フィルタがどのビューに設定されているか |
customDimensions | カスタムディメンション |
customMetrics | カスタム指標 |
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